混沌となる研修へ
私がIT系のコンサルタントであることに気づいたのは、入社した初日でした。
初日は当月入社した社員約200人との研修。自席には一枚の紙が置いてあり、入社した社員の名前と部署が記載されています。私の所属部署はクラウドソリューションの導入を専門としているとのこと。
あれ?私は業務コンサルタント(※)として採用されたのは?と思ったのですが、新卒(私の場合は第二新卒)はテクノロジー部署からの配属でした。
こうして、私は「???」だらけの状態で、研修を迎えることになります。
※業務コンサルタントの定義は一概には言えないですが、当時ざっくりイメージしていたのは、お客さまの業務上の課題を特定し、あるべき姿(プロセス)を描くことです
感動と落胆のビジネスマナー講習
「もう少し、声のトーンを上げられますか」と言われたとき、心の中で思わず「え」と返しました。
3日間にわたる全体説明会を終え、20人の同期と約2か月の研修を受けていた時のことです。
今まで勤めていた二社でOJTしか受けていない私にとって、「研修の期間が設けられている」というのはとても嬉しく、研修プログラムもビジネスマナーから、資料作成、プログラミング、ロールプレイまで幅広くカバーされていることに驚きを隠せませんでした。
そんな中、ビジネスマナー講習で「名刺の交換」「電話の受け答え」「エレベーターの立ち位置」「会議室の座る位置」等、細かいルールの多さに目まぐるしく感じたものの、日本人の丁寧さに感心しました。(転職するまで香港人として生活してきたため、日本の社会人ルールをよく知らなかったのです)
そこで、講師と名刺交換の実習をすることになりました。教わった通り、フルネームで自己紹介をし、相手より低い位置で名刺を差し出し、相手の名刺を受けとる時は「頂戴いたします」と一言を添える。
「もう少し、声のトーンを上げられますか」それが私に対するフィードバックでした。
私は地声が低く、電話越しでは男性と間違えられる時もあります。ビジネスシーンで女性がよくワントーン上げるのは理解していたのですが、声が低いのは失礼ではないですよね?と変な意地を張ってしまったのです。
よくよく考えると、「上座下座」とか、「黒髪」とか、こういったルールに本質的なものはないはずですが、声に対する指摘だけムッとしてしまったんですよね笑 私は「頑張ってトーンを上げようとしているができない」ふりをして、講師の方には諦めてもらいました。
資料作成の基本
「そこそこできる人がコンサルに転職するんでしょ?」とお考えの方がいらっしゃるかもしれませんが、第二新卒(意外と中途も?)ですとソフトとハードスキル両方兼ね備えている人はそこまでいないと感じました。
ソフトスキルとはコミュニケーション力や理解力等、仕事を進める上で必要とされる特性を指します。以下コンサルタントに必要なソフトスキル例です。
- 課題解決能力
- 仮説検証能力
- 構造化の能力
一方、ハードスキルとは、体系的に習得した専門知識・技術の応用が求められるスキルです。以下例です:
- プログラミング
- 英語
- 会計
研修では、コンサルタントに求められるハードスキルの中でも、最も基本である「資料作成」について教わります。
資料作成のツールは?
Word、PowerPoint、Excelの3つが対象です。
この3つが使えれば、スタートラインに立てます。
「使えるってどこまで使える必要があるの?」と思われるかもしれないですが、Wordはインデントが使えること、PowerPointはオブジェクトが作れること、Excelは基本の関数(vlookup等)やピボットが作れることでいいと思います。
「え?それぐらいでいいの?」と思う方がいるかもしれないですが、新卒/第二新卒は上記が達成できれば一旦いいのではないかと思います。理由としては、コンサルタントで一番大事なのは「ソフトスキル」であり、資料作成はあくまで思考を表現するための手段に過ぎないからです。基礎さえ押さえておけば、あとは分からない時にググれば(ここでも「検索力」というソフトスキルが求められます)いいだけのことです。(スピード感が求められるので、多少の自主練は必要ですが)
ただ中途入社される方で役職がコンサルタント以上の方は「即戦力」として見込まれており、入社早々「ピボットってなんですか」はドン引きされるのでご注意を。
一方、「え、できる自信がない…」と思っている方についてはご心配なく。私の同期で前職不動産の営業をされていた方がいたのですが、Excelを触ったことがないとのことで苦闘してました笑 彼は今では大手アパレル企業向けにシステム導入をしています。
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